2016年3月26日土曜日

『螺鈿”KumitateK”』、作例紹介

12月から毎月限定5名様の受注生産となった螺鈿オプション。
おかげさまで毎月ご注文をいただき、貝を切り貼りする生活が再開いたしました(笑

ここで今一度、12月~1月の作例を振り返りつつ、サービスの詳細をご案内します。

1.デザインのカスタマイズはどこまで可能か?

お客様より、「深海とマグマのイメージで。マグマは螺鈿のモザイクを使って表現できないか?」と
ご相談いただいた作例。マグマのほうは新しい試みを何点かやっております。

螺鈿・青と、螺鈿モザイク「マグマ」

螺鈿・青

螺鈿モザイク「マグマ」
 ベースとなるデザインを選択いただき、「こんな感じのイメージで変化をつけられないか?」というご提案をいただけると、イメージしやすいですね。

シェルにもグラデーションをつけています。カナルからフェイスプレートへ向かっていくにつれ、色が濃くなっていきます。

螺鈿・青と彗星・青

彗星・青
 また、カラーバリエーションを用意することもできます。 彗星の青は初めての製作でしたが、紫とは全く別の印象になったのではないでしょうか。

2.プレーンなオーダーの精度は上がっているのか?

特殊デザインではなく、1枚貼りの螺鈿も、緊張感のある仕上がりになって私自身お気に入りです。

螺鈿・黒と螺鈿・赤

螺鈿・炎
  
1枚貼りの場合、貝のどの部分を使うのかに気を配ります。A4くらいの板から、2ペアくらいしか適当な模様が取れないことも・・・(汗

自分の中の、螺鈿第一期?のテーマは「重箱などの漆器の上に貼られた螺鈿」というものだったんですが、
第二期のテーマは「シェルとフェイスプレートの調和・トータルデザイン」です。螺鈿の背景の黒い板は、今までよりも薄いものを使用しています。




プレーンなモザイク。モザイクは、今までどおり背景の板は厚いものを使用しています。

3.同じデザインならば、同じ仕上がりか?

サクラ

サクラ

彗星・紫とサクラ

彗星・紫とサクラ

ご好評いただいております「サクラ」と「彗星・紫」。同じデザインであっても、花びらの形や枚数、散し方などは必ず変化をつけています。お客様の耳の形が一人ひとり違う以上、最適な構図が違うからです。

大き目の耳の人は小さい花びらを散してみたり、小さい耳の人は大きめの花びらを散してみたり。
この辺はお客様の希望をお聞きしながら調節も可能です。

4.半田付けや内部配線まで自分でこなすのはなぜか。 

個人的に、IEM内部の配線の取り回しに、製作者の個性がもっとも反映されると考えています。
よく観察すれば、製作者が誰なのかを特定することも可能です。





 ユニットから伸びる配線の流れを意識して、まとめたりまとめなかったり、散したりばらけさせたり。
この辺も、お客様の耳型に合わせて変化させます。
螺鈿の場合、内部配線を観察することは難しいのですが、隠れてしまう部分だからこそ、油断しないでこなすことが重要かと思います。

5.部品のカスタマイズで唯一無二のIEMに

月5名様の製作なので、コンデンサや抵抗の部品も、対応できる範囲で特注で作ってみました。
PRP金属皮膜抵抗

PRP金属皮膜抵抗
DALE金属皮膜抵抗+ECPU
PRP+Vishay+ECPU

Vishay0.5%誤差品

 赤いボディが印象的なPRPの金属皮膜抵抗。アンプはもちろん、ギターのエフェクターで使用される方も多いようです。

DALEの抵抗は、秋葉原の海神無線さんで手に入れました。お店の方曰く、もう在庫が2本しかなく、ディスコン品とのこと。その2本を譲ってもらいました。
これはサンカのネットワークなんですが、もうこの組み合わせでは二度と作れませんね。 まさに唯一無二。

Vishayの抵抗は、10Ωが唯一の0.5%品。たくさんつなげて、50Ωを作ってみました。誤差上がってるんじゃね?って突っ込みは無用。ちゃんとテスターでマッチングを取りました。

6.付属品やパッケージ詳細

「上がってきたパッケージサンプル、一度白紙に戻す」という大事件が起こったものの(汗、なんとか完成したパッケージ。
その甲斐あってか、中々の出来栄えになったかと思います。



ペリカンケースには、お客様のお名前と、シリアルナンバーが入ります。


以上が『螺鈿”KumitateK”』の全容です。まだまだ始まったばかりのサービスですが、お客様との対話を通して、魅力的な作品・サービスにしていきたいです!

最後に、サクラの限界がこちら。まだまだいけるのかなぁ。


これからもよろしくお願いいたします。

2016年3月20日日曜日

チューニングサービス変更のお知らせ

いつも弊社の製品・サービスにご注目いただきありがとうございます。

くみたてLabでは、オリジナルのカスタムIEMに加え、TF10とSE530、SE535を利用した、チューニングサービスを提供させて頂いております。

誠に勝手ながら、2016年4月より、チューニングモデルの受付数量、価格を以下のとおり変更させていただきます。

・チューニングモデル:月五名様までの数量限定受注(全てのチューニングモデルの合計個数)
・TF10-KAI  ¥55000(税込)
・SE530/535-KAI ¥65000(税込)

非常に多くのポータブルオーディオファンが所持している上記2機種を使ったこのサービスは、
カスタムIEMの世界の入り口として、大変ご好評いただきました。

しかし、元となる2機種の中古価格の高騰、販売終了から時間が経ち中古品の状態が悪くなった
こと、また為替の変動による原材料の高騰から、お客様とくみたてLab双方にとって、
以前ほど魅力的なサービスとは言えなくなってきました。

チューニングサービスでは、元となる上記2機種を作業前に一旦検査し、BAドライバに異常が
あった場合、ご注文をキャンセルし返金処理となります。

昨年の中頃より、異常品の割合が増え、中古市場に出回っているこれらの機種の状態が
悪くなっているのでは?と思うようになりました。

その一方で、中古価格が高騰し、TF10KAIですと、本体価格を合わせて7万〜8万円、
SE530KAIで8万〜9万と、トータルコスト的には高い部類のサービスになるという
いびつな状況がうまれました。

また、比較的安価でご提供してきましたこのサービスですが、弊社としては通常のカスタムIEM
を作るのと変わらない手間がかかり、更に現物の検査を加えると、作業工程がひとつ多いほどでした。
更に円安状況も加わり、BAドライバの価格を考えると、受注すればするだけ厳しくなる状況です。
一体どれくらいの価格ならペイできるのか?と原価計算をしたところ、
TF10-KAIで¥75,000 、SE530/535-KAIで¥92,000 という価格が出てきました。
これではさすがに魅力的なサービスとはいえません。

ただ、私自身、この二つの機種がカスタムIEMの世界に踏み入れるきっかけだったので、
皆さんにも同じようにカスタムの世界の入り口になってほしい、ということで価格を少しだけ上げさせてもらい、
更に受注数を限定させていただくことで、製造コストの増大を抑えつつ継続させていただく判断となりました。

毎月、チューニングモデルは7~10件程度の受注だったので、受注状況が大きく変わるというわけでは無いと考えております。
お客様にはご不便をおかけいたしますが、何卒よろしくお願いいたします。






2016年3月13日日曜日

くみたてLab、2016年4月からの価格改定につきまして。

【支えてくださったお客様への感謝とお礼】

自作スレでの試行錯誤から始まり、リシェルサービスからスタートした『くみたてLab』。
カスタムIEMに興味津々の自作er、カスタムIEMマニアに注目いただいてBlogが盛り上がり、
また営業を開始してからはカスタムIEMファンや、ポータブルオーディオファンのお客様に
オーダーという形で応援していただきました。皆様本当にありがとうございます。


3年前と今。


最初ひとりで始めたこの仕事も、うましくんこと山崎君が1期目の秋から加わり、
TRIOやREFの筐体設計をしてくれたMr.Xくんとの出会い、また二人目の社員○○くん
(本人の希望で伏字)が2期目の11月から加わり、3期目の3月からパートタイムで入ってくれた方、
仕事を続ける中でたくさんの仲間が集まってくれました。

くみたてLab、2016年より4期目がスタートします。勢いのある業界で、
埋もれないようにとなんとかやりくりしてここまでこれました。
前に進めたのも、IEMファン、お客様、二人の社員、その他たくさんの方々に
支えていただいたからです。
一人だったら、リシェルサービスがパンクした際に全てをなげうって辞めていたと思います。
皆様、本当にありがとうございます。重ねて御礼申し上げます。

【2016年4月から課税事業者へ】 

くみたてLabは、4期目の2016年4月から『消費税課税事業者』になります。
すなわち、全ての製品・サービスに消費税(8%)が課税されます。

消費税の課税は、法人ですとその売上によって課税が発生します。具体的には、
『売上1000万円を超えた期の翌々期』から、お客様より消費税を仮受けし、
期末に精算して納めなくてはいけません。

くみたてLabはおかげさまで2期目の売上が1000万円を超え、2期目の翌々期、
つまり4期目から消費税の納税義務が発生します。4期目からは税込価格での
ご案内となりますが、何卒ご了承願います。


【4月より価格改定いたします】

為替の影響による原材料費の高騰を受け、大変心苦しいのですが製品の本体価格を
改定させていただきます。お客様にはご迷惑をおかけいたしますが、
何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。

今後もサービスの向上、より一層の品質の向上に努めてまいります。更なる製品クオリティの追求はもちろん、
視聴機貸し出しサービスや、予約制の試聴サービスの開始を含め、試聴環境を整えることで
くみたてLabの製品をより身近に感じていただけるよう努めてまいります。
また、ブログの更新を充実させることで、カスタムIEMという製品にもっと興味を
持っていただけるよう一層努力してまいります。

弊社オリジナルの製品に関しまして、以下のとおり価格を改定させていただきます。
なお、フェイスプレートオプション等のオプション価格に変更はありません。

【4期目から目指すもの】 

カスタムIEMは、決して安い製品ではありません。特に、昨今の製品の高価格路線へのシフトに、
お客様としては疑問を持たれる方が少なく無いと思います。

製品は全てが1点ものの手作りです。どうしても製作には時間がかかり、それがコストとして
跳ね返ってくるというのが、厳然たる事実として横たわっています。

高いお金を出していただき、製品の完成までには長い時間をお待ちいただいております。
お客様にお応えするには、品質を最高まで極めること、他の製品にはない独自の機能を組み込むこと、
カスタムIEMを持つという所有感やワクワク感を演出することなど、
メーカーとして出来ることを最大限行うしかないと思います。

メーカーとして3年間を経験したことで、私たちには様々な蓄積ができました。
製品のデザイン、品質管理、製造にあたっての特別な技術は私に蓄積し、
音響設計や聴覚、スタジオやステージで何が求められるかという知識の蓄積は山崎君に、
ケーブルの製作やWebの運営管理の技術と経験は社員2号くんに蓄積しました。

4期目からも、各人の持てるものを最大限に発揮して、より一層ユニークな製品を発表していくことをお約束いたします。

3年前、くみたてLabを起業する際、起業のことを「勝負手」と表現しました。
勝負手とは、「勝敗不明の混沌とした局面に導く手」という意味なのですが、
3年前とは比べ物にならないくらい、大小さまざまなメーカーが市場に参加してきています。
まだまだ混沌とした局面は続きそうです。

草をはやしたのは照れ隠し。
ただ確実にいえることは、3年前の今より、状況は好転しているということです。
お客様に恵まれ、仲間が集まり、自分たちのやりたいことが少しずつ出来てきたということ。

皆様に感謝しながら、これからも少しずつ前進していきます。

最後に重ねて、今まで支えていただいた皆様にお礼を申し上げます。本当にありがとうございます。
これからも精進してまいりますので、よろしくお願いいたします!


2016年3月12日土曜日

3/27、店頭試聴会のお知らせ

後ろの席で鼻をすすっているのは花粉症の弊社代表・・・もうそんな季節なんですね。
ポタ研から早1ヶ月、ホワイトデーとは無縁な北杜うまし こと山崎です。

ヘッドホン祭りが間近に迫って来ましたが、
3月27日(日曜日)に毎度おなじみフジヤエービックさんで店頭試聴会を行います!

場所は中野サンプラザのフジヤエービックPart3さん。
時間は13時~18時まで行っております。
もちろん店頭でのご注文も可能です。対象機種はKL-REF・KL-カノン(SW)、KL-アカラ2014、KL-サンカです。






















今回もフジヤエービックさんのご協力の下、その場での耳型採取が可能です。
予約出来ますので、ご検討中の方はお早めに!


さて先日軽い気持ちからSNSにポイっと投げたあの写真・・・
hokutoumashiさん(@hokutoumashi)が投稿した写真 -

ご覧の通り、MMCXと2pinが使えます。切り替えることで音が変わる・・・とかそういうモノではありません。
手持ちケーブルのコネクタを気にせずににすむズボラ仕様オプション「オルタナティヴコネクタ(仮称)」です。
思ったより反響が大きかったので、急遽当日店頭でのご注文に限りこのオプションも選べるようにしました。
埋込2Pinには非対応です























オプション「オルタナティヴコネクタ」
価格:¥10,000(両耳)

ちょっと値が張っているのは予想以上に手間がかかってしまった為です・・・すみません。
通常のオーダーでご利用いただけるようになるのは、もうちょっと先になりそうです。
この機会に是非。


で、更にもう一点・・・。
KL-REFをご試聴いただいた皆様から「ボリューム固定で出してして欲しい」という声を多くいただいておりました。
で、せっかくなのでこちらも試験的に受け付けてみようかと思います。

ボリュームオプション(固定値)
価格:¥15,200(ボリュームオプションと同じ)

ボリュームオプションの一環として用意しました。
指定出来る値は検討中なので、是非試聴会でご意見お寄せいただければと思います!


そうそう、ポタ研でバレンタインチョコをたくさん頂いてしまったので、ささやかなお礼を用意しました。笑
店頭試聴会でご注文いただいた方に、
弊社Webからのご注文でご利用いただけるクーポンをお渡ししたいと思います。

せっかくの試聴会なので色々詰め込んでみました!
是非お越しください!
KumitateKこと伊藤と私(山崎)の二人がいる予定です~


螺鈿”KumitateK”の出荷が始まり、SNS上でもチラホラと写真を見かけるようになってきました。

今までの螺鈿オプションと比べていかがでしょうか?
そのうち写真も公開していく予定ですので、楽しみにしていて下さい。

長々と書いてしまいました・・・読んで頂きありがとうございます。
それでは!




---追記(3/15)---













フジヤさんに試聴会の案内ページと耳型採取の予約ページがオープンしました!
耳型採取の枠は数が限られているので、ご検討中の方はお早めにどうぞ。

すっかり記載し忘れてましたが、ポタ研で展示したサンカMkⅡアカラMkⅡも持って行きます。
中身はまだポタ研の時と同じですが、是非聴いてご感想・ご意見いただければ嬉しいです。

よろしくお願いします~!